骨盤裂離骨折(こつばんれつりこっせつ)
スポーツでのダッシュやボールを蹴るような筋の急激な収縮により、骨盤ついている腱(筋肉が骨につく部分)が、引きはがされておこる骨折のことです。
成長期(14~16歳頃)の骨盤は力学的に弱い骨端線こったんせん(成長軟骨があるところで、これが増えながら骨が長くなり身長が伸びます)があり、ほとんどの裂離骨折はこの骨端線で起こります。それぞれの部位には、足を動かすための大きな強い筋肉がついています。
上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)の裂離骨折がもっとも多く約50%、ダッシュがきっかけとなることが多いです。
下前腸骨棘(かぜんちょうこつきょく)の裂離骨折は約30%で、サッカーのキック動作などにより
なりやすいです。
坐骨結節(ざこつけっせつ)の裂離骨折は10%以上で、地面を強く大きく蹴りだすときになりやすいです。
受傷直後はレントゲン診断が難しく、肉離れと診断されることもあります。
※上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく):両方の手を腰に当てたとき、腰の前面の指先が触れる骨のとがった部分
※※下前腸骨棘:上前腸骨棘の二横指下の骨のとがった部分
症状
体重をかけた時の痛み
治療
松葉杖歩行と安静。
骨がくっつく(骨癒合こつゆごうした)ことが確認できたら、徐々に体重をかけスポーツ復帰を行う。坐骨結節裂離骨折は大きな力がかかるために治るのに時間がかかる。