変形性膝関節症

症状

日本では女性が約8割を占め、高齢者になるほど罹患率は高くなります。

主な症状は膝の痛みと膝の曲がりや伸びが悪くなったり膝がO脚またはX脚になります。また膝関節内に水が溜まり腫れることがあります。

日本では約9割がO脚の変形を生じます。

初期では立ち上がり、歩きはじめなど動作の開始時や長歩き後やスポーツ後に痛みが生じます。また休めば痛みがとれたりします。次第に正座や階段の昇降が困難となり、末期になると、短い距離での歩行で疼痛が生じ安静時にも痛みがとれません。

O脚変形が進行し、歩行が困難になります。約1割の方にX脚の変形がおこります。

原因と病態

原因には肥満やスポーツ、重労働などの環境因子や遺伝も関与しています。

また骨折、靱帯や半月板損傷などのケガの後遺症として発症することがあります。

特に明らかな心当たりがなくても加齢に伴い軟骨がすり減り末期の変形性膝関節症になることがあります。

腰などの背骨の変形や股関節の疾患などが膝にストレスを引き起こし変形性膝関節症が生じることがあります。

診断

問診や診察、時に触診で膝内側の圧痛の有無、関節の動きの範囲、腫れやO脚またはX脚変形などの有無を調べ、X線(レントゲン)検査で診断します。膝関節の骨棘や関節の隙間(軟骨の厚みを表す)が減少していることで診断します。この際立位でのX撮影が診断に有効です。必要によりMRI検査などをします。

予防(日常生活での注意点)

  • ふとももの前の筋肉など膝の周りの筋肉を鍛えることが重要です。ウォーキングや水中歩行、自転車などが有効です。しかし膝に大きな負担のかかる運動は控えましょう。
  • 正座やしゃがみ込みをさける。
  • 肥満、太り気味であれば減量しましょう。体重が5㎏減ると痛みが改善したりします。
  • 膝を冷やさないようにしましょう。
  • 重労働を控えましょう。
  • 装具(サポーターや足底板)が有効なことがあります。

治療

症状が軽い場合は痛み止めの内服薬や外用薬を使ったり、膝関節内にヒアルロン酸の注射などをします。また大腿四頭筋強化訓練、関節可動域改善訓練などの運動器リハビリテーションを行ったりします。足底板や膝装具を作成することもあります。

膝の痛みなどで日常生活に支障手術治療も検討します。
高位脛骨骨切り術、人工膝関節置換術などがあります。

関連する症状・病気

  • 半月(板)損傷
  • 前十字靭帯断裂
  • 変形性股関節症