病名 腰部脊柱管狭窄症

症状

神経痛による脚のしびれや痛み、長距離歩行が困難なことが主な症状です。お尻から太ももの裏や外側、膝から足にかけての外側にしびれや痛みが生じることが多いです。

長い距離を歩くにつれお尻やふとももの裏が張ったりして座りたくなることがあります。しばらく座って休んだあとはまた歩けるようになります。少し腰や背中を曲げて歩くと歩き易くなります。ショッピングカートやシルバーカーを押して歩くと歩きやいと言われる患者さんが多いです。また自転車ならどこまででも行けると言われこともあります。

腰に原因のある疾患ですが腰痛がないことも多々あります。

脚の力が落ちたり脚の力が入らないことや尿の問題や排便の問題が起こることもあります。

原因と病態

背骨には骨に囲まれた神経の通り道があります。そのことを脊柱管と言います。腰椎(腰の骨)の脊柱管のことを腰部脊柱管と言います。腰部脊柱管は一部は完全に骨に囲まれていますが一部は椎間板というクッションのような役割の組織や靭帯、あるいは関節(椎間関節)に囲まれています。加齢とともに椎間板がつぶれ脊柱管に押し出されたり靭帯が痛んで厚みを増したり関節の変形による骨の突起が生じたり背骨が前後にずれたりすることなどにより脊柱管が狭くなることがあります。高齢になるとある程度脊柱管が狭くなることは多くの人で起こりますがひどく狭くなると脊柱管のなかを通る神経が圧迫され神経痛やしびれが生じたり、神経への血流が障害され歩行障害などの症状が生じたりします。70歳以上の高齢者で起こることが多い疾患です。

腰を反らすと一般的に脊柱管は狭くなり曲げると脊柱管は広がります。そのようなことで少し腰を曲げて歩くと長く歩けるようになるのです。

診断

年齢や症状より病態は推測されます。単純X線(レントゲン)写真は撮ることが一般的ですが確定診断はできません。MRIで確定診断することが多いです。ペースメーカーなどが入っている方などMRIが撮影困難である人や手術を予定している人は脊椎造影検査とそのあとのCT検査で確定診断されたり精密に評価されることがあります。は推測できますが、より詳しく診断するためにはMRIや脊髄造影などの検査が必要となります。下肢の動脈がつまって血行障害を生じた時にも長時間の歩行が困難なことがあり治療法が異なりますのできちんと診断をつけることが重要です。

予防(日常生活での注意点)

体重が重めで太っているのであれば減量しましょう。

高齢の方は骨粗鬆症がありときに腰椎圧迫骨折が原因で脊柱管が狭くなることがあります。骨粗鬆症に注意し骨密度が低い場合は薬等で治療しましょう。

腰椎椎間板ヘルニアを患った方は腰に負担がかからない生活習慣を選択しましょう。

治療

圧迫された神経の血流を改善するお薬があります。

コルセットで腰椎を安静に保つことで症状が治まることがあります。

脚の痛みが強かったり歩行障害が著しい場合は手術を選択することもできます。物理的に狭くなった脊柱管を広げることは一般的に手術でしかできないといっても過言ではありません。

関連する症状・病気

説明文詳細が入ります。

  • 腰椎変性すべり症
  • 腰椎圧迫骨折(腰椎破裂骨折)
  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 変形性腰椎症
  • 腰椎椎間板症